日本で初めて普及したスマートフォンはiPhoneだと思っている人も多いですが、実は違います。スマートフォン市場を開拓した機種は他にあります。それがウィルコム社が投入したシャープ社製のスマートフォン「W-ZERO3」です。ウィルコム社はPHS事業者としてKDDIから独立したばかりの新しい企業でしたが、その企業がスマートフォンを日本中に知らしめたのです。
そもそも、日本でスマートフォンが普及しなかった理由は、「現在の携帯電話で事足りるから」です。海外は携帯電話は電話以外の機能が付いていませんでしたが、日本の携帯電話はEメール機能やウェブ閲覧機能、さらには音楽や動画などを楽しむことが出来ました。そのため、思うように普及が進みませんでした。さらに、スマートフォンのようにパソコンと同様の機能が付くと通信量が跳ね上がるリスクを抱えると不安視されていたのです。
しかし、ウィルコム社はデータ定額制を他のどの国内キャリアよりも素早く実施します。これにより大容量通信が可能になったため、主にビジネスマンを中心に大ヒットしました。今まであまり印象にないのは「スライドするハードウェアキーボード」が現在のスマートフォンのイメージと違うからでしょう。